御岳山に登ったことがありますか

青梅の街を散策しているとよくこの扉に貼ってあるお札をみかけます。


牙を剥いた犬のようですが・・・


これは東京の西の最果て青梅、御岳山頂上にある「武蔵御嶽神社」のお札です。

武蔵御嶽神社に祀られている主祭神は

「櫛眞智命」(くしまちのみこと)といってなんと占いの神様です。


この地で占いを始めたことに運命を感じてしまいます。


毎年1月には非公開で

(行っても見れませんよ。非公開というだけで霊験あらたかに思えてしまいますね)

太占祭(ふとまにさい)が行われます。

太占・・高校の日本史で習ったような記憶が。

それもそのはず、現在では富岡製糸場で名高い群馬県貴前神社と、

この「武蔵御嶽神社」だけに伝わる日本最古の占いだそうです。


男鹿の肩の骨を焼いて作物の豊凶を占うのだとか。

だから今でも青梅の農家や民家には作物の豊作を願って

この御岳山「武蔵御嶽神社」のお札が貼られているということです。



さて、本題の牙を剥いた犬のような絵が描かれたお札に戻ります。


この占いの神様の他にも何体かの神様が祀られていて、

そのひとつ「大口真神」という神様は通称「おいぬさま」と呼ばれていますが

実はオオカミなのです。


まだまだ日本ができたばかりのころのお話でしょうが

日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征のとき、

この御岳山から西北に進もうとしていました。


もうヤマトタケルがここ通ったんだ!

と知っただけでパワースポット感満載であります。


そしてこの深い山奥の邪神が大きな白鹿と化して道をふさぎました。

(神話にありがちな設定ですね)

ヤマトタケルは山蒜(やまびる)で邪神を退治したものの、

その時山谷が鳴り響き、雲霧が発生して道に迷ってしまったそうです。

そこへ忽然と白狼が現れ、ヤマトタケルの軍を西北へ導いたそうです。


この神話、あながち作り話ではないと感じるのは

ここ青梅では今でもちょっと山に分け入ると鹿を見かけることがあるし、

(白くはないです。どちらかというと黒っぽいワイルドな鹿です)

昔はそりゃオオカミだっていたでしょ、というぐらいの深い山なのです。

ちょっと気温差が生じると川だって滝だってたくさんあるから

濃霧だっていとも簡単に発生するのです。


というわけで妙に納得してしまう狼信仰。


その時ヤマトタケルはオオカミに「此の山に留まり、地を守れ」と仰せられたそうな。

以来、「おいぬさま」と崇められ様々な厄除け

道中で難を救う旅行安全の神として信仰を集めています。


「おいぬ」は「老いぬ」にも通じて長寿の神様としても、

また戌は安産・多産の神様として有名で、

昔から妊婦さんは「戌の日」には安産のお参りにいきますね。


休日ともなれば、多くの愛犬家が可愛いワンコを連れて

登山をしています。


さてゴールデンウィークも間近。

東京の西の最果て、御岳山に登ってみるのはいかがでしょうか。